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畑の匂いや自然本来の味で
お客様をおもてなし

「昔の野菜は、形はちょっとぶこつでも、畑の匂いや自然の味が感じられました。自然栽培の野菜には、そういった昔ながらの素朴な味わいがあり、そこが魅力です」
そう語るのは、札幌パークホテルの総料理長・吉田郁雄さん。自らも畑に足を運びます。「自然栽培だからといって、種を蒔いたらそのままというのではありません。農薬や肥料を使わない分、人の目と手できめ細やかな管理が必要です。雑草があれば抜き、弱っていたら手当をする。そうしてその年の天候と土によって畑で育つのが自然栽培野菜。人の手と自然が育てるので、僕はあえて『ナチュラル栽培』と呼んでいます」とも。

自社農園を開設する以前から、札幌パークホテルでは料理人が北海道各地の野菜農家に赴き、実際に手に取って素材を確かめ、栽培方法や生産者の思いを汲んで、料理に使っていました。自社農園を開設してからも、食材に真摯に向き合う生産者さんとの関わりを大切にしています。「レストランの若いスタッフにとって、自分たちの手で野菜を育て収穫することで、食材がどういうところで、どれだけ手をかけて育つか、直に見ることができるのは、大変な勉強になります」。

2022年からはホテルの屋上で都市型養蜂も手がけています。収穫した野菜や採取したはちみつは、レストランでお料理に使われるほか、スイーツの材料にも。これからも、札幌パークホテルの挑戦は続きます。