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ベルーガの出産サポート
新しい命が誕生

2023年9月18日、ベルーガの新たな命が誕生しました。

2021年に誕生した2頭に続く、3例目の出産となった新メンバーの名前は「テオ」。鴨川シーワールド内でも古参の「ナック(オス)」と、今回が初産となった「ミリー(メス)」との間に生まれたオスです。

「出産は水中で行われるため人の介入が難しく、分娩時の出血でプールの上からの視界も悪くなってしまう。ミリーが破水してからテオが出てくるまでに時間がかかったこともあり、ハラハラしながら見守りました」と鈴木さんと獣医師の柴原 杏さんが声を揃えます。

ベルーガにおける国内での繁殖例は非常に珍しく、これまでの妊娠・出産も試行錯誤の連続だったといいます。

「今回は比較的安産でしたが、前回ヴィズ(メス)が産まれたときはかなりの難産でした。破水後しばらくたっても胎児の体が現れなかったため、分娩の途中は私たちも介入しつつ、なんとか無事に産まれてきてくれました。しかし、生後6日目から授乳不良になってしまって。他の鯨類や海外の事例を参考にしつつ、動物用の粉ミルクなどを使った人工哺乳を行いました」(柴原さん)

この経験は、テオの育児にも役立ちました。約50年にも及ぶベルーガとの歳月の中で培ってきた経験が受け継がれているからこそ、飼育自体難しいとされるベルーガの妊娠から出産、育児までのサポートが可能なのです。