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キャタピラみたいな足跡がサイン
「母ガメの気持ちで」卵さがし

鴨川シーワールドでアカウミガメの保護活動が始まったのは2002年。館内に産卵用の浜辺「ウミガメの浜」ができたのがきっかけでした。大雨や台風で水に浸かりそうな場所の卵は、職員の手で保護して「ウミガメの浜」へ移動。ふ化に問題ない場所の卵は、周りに柵を立てて地元の人と一緒に見守るといいます。

でも、砂の中のウミガメの卵って、どうやって探すの?

「産卵シーズンは職員が海岸を見回り、キャタピラの軌跡によく似たあしあとを探します。軌跡の先に1〜2m四方のくぼみ(ボディピット)があれば、産卵巣の可能性が高い。あとは、経験と勘をたよりに、丁寧に手で砂をかきわけて卵を掘りあてるのです」(吉村さん)

1〜2m四方といえば、だいたい畳1畳分。卵があるのは一部なので、上司や先輩からは「お母さんガメになった気持ちで探すんだ」と教えられたそう。卵を保護する場合は、天地が変わると正常な発生・ふ化ができなくなるため、上下を変えないように慎重に埋め直すといいます。