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「すぐに海へ返してあげたい」
徹夜で“脱出”を見守るスタッフ

「砂の中で卵から幼体がかえることを“ふ化”、その後、砂の上に出てくることを“脱出”といいます。ふ化の期間は、約50日。砂の温度を毎日測ることで、おおよそのふ化日も予測できます。現在は、この予測の精度をさらに高めようと調査を進めているんですよ」(吉村さん)

というのも、ふ化後の子ガメたちは2日かけて砂の上に“脱出”することがわかっており、「ふ化がいつ始まったか」が正確にわかれば、脱出の日時も予測できるかもしれないから。

「今のところは、脱出日が近くなると職員たちが夜を徹して観察をしています。これは、脱出した子ガメをなるべくすぐに海へ帰してあげたいから。もし、脱出時刻が正確に予測できるようになれば、こうした職員の負担も減りますし、館内を訪れているお客さまにもアナウンスができるようになり、貴重な瞬間に立ち会っていただけるかもしれません」(吉村さん)