グニャグニャの軟骨で
「骨格標本」は作れるか!?
見つかったメガマウスザメは、体長5.4m、体重1.2tのメスでした。世界的にも貴重なこのサメを広く公開するためにはどうすればいいだろう? その方法を模索していた鴨川シーワールドが辿りついた結論は、「骨格標本を作る」こと!
メガマウスザメのホルマリン標本や剥製標本はすでにありましたが、骨格標本だけは不可能といわれていました。というのもこのサメは、他の軟骨魚類と比べて肝心の骨がグニャグニャであり、おまけにこの巨体となれば、まさに前途多難。
「でも、もし本当に作ることができれば、この上ない貴重な資料になる。骨は生き物の動きを制御しているものだから、骨格を見れば動きのイメージもわきやすい。これはチャレンジする価値がある! そう思いました」(大澤さん)
こうして、世界的なサメ研究者・仲谷一宏先生の協力のもと、「軟骨で骨格標本を作る」という前代未聞の挑戦が始まったのです。