ホテルの屋上で都市型養蜂をスタート。
札幌の四季を映すはちみつの味とは
現在、世界的にもミツバチの数が激減し、食糧危機を招くと問題視されています。その理由は、食料となる作物の受粉にミツバチが欠かせないから。ミツバチを保護することは、食料の持続的な確保にもつながります。
札幌パークホテルでは、野菜の自然栽培に取り組んできた経験から、ミツバチがいなければ野菜が育たないと考え、今年4月、安全面に配慮しながら養蜂に乗り出しました。
ミツバチたちはホテルから半径2km圏内で蜜を集めて、屋上の巣箱に戻ります。ミツバチたちは隣接する中島公園や豊平川など、周囲にある季節の花や樹木から甘い蜜を運んできます。
「春はアカシア、夏はシナやユリ、ハーブ類もたくさんあります」と話すのは養蜂を担当する本間博之さん。7月に初めての採蜜を行いました。「初めて採れたはちみつは、透明感があってさっぱりした味わいです。ほのかに桜も香ります」と本間さん。採蜜は年3回。時期によって蜜源となる植物が変わるため、味わいも変化します。
はちみつの味わいが変わるのは、自然が多様な証拠。養蜂を通した環境への取り組みはまだ始まったばかりです。