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黒潮にのって太平洋へ!
子ガメたちの大冒険

7月17日に見つかった卵は、今、東条海岸のかたすみで順調に育っています。

砂をかきわけて現れる子ガメたちの体長(甲長)はわずか4cmほど。小さな葉っぱのような甲羅を背負い、一斉に海を目指すといいます。

「海へ送り出す瞬間はいつも感動します。みんな一生懸命パタパタと砂浜をあゆみ、自分より大きな波に何度も押し戻されて、それでも立ち向かい、やがて一匹、また一匹と波間に姿を消していく。あんなに小さい子ガメが、これから一人きりで生きていくんだな、と」(吉村さん)

大人になれるのは、わずか数千分の一。海に出た子ガメたちは黒潮に乗り、太平洋を横断して北米の沖合へ。そして、また日本へと戻ってくるといわれています。

「もしも再び日本の海で会えるとしたら10年後、いいえ、もっと先かも。ウミガメのオスは生涯を海中で過ごし、陸に上がるのはメスだけです。お母さんになった子が、いつかまた東条海岸に帰ってきてくれるとうれしいですね」(吉村さん)